大阪府立大学工業高等専門学校では、『ふらっとライフ』をテキストとして採用し、五年一貫の人権教育を行っています。
学生は、事前学習として『ふらっとライフ』の指定された箇所を読み、執筆者への質問や意見をweb上のフォームに記入します。そして、それらを教員が取りまとめて(匿名化して)執筆者に渡し、執筆者には講演や動画のかたちで質問・意見に回答していただきます。その後、学生はその講演や動画についての振り返りシートを完成させます。
この一連の流れのなかで、最初に乗り越えるべき山は、「テキストを読む」ことです。
学生のなかには、長文を活字で読むのが難しい特性をもっていたり、読書が苦手だったりする人が少なくありません。そのため、本校では、出版社の許可を得て、『ふらっとライフ』の本文を朗読した音声データと、読んでいる部分の画像を組み合わせた動画を作成し、学生に提供しています。
下のグラフは、ある学年の学生が、どの手段でテキストの内容を把握したかを示しています。これを見ると、2割強の学生が動画を選択し、1割強の学生は動画とテキストを併用して学習していることがわかります。動画が事前学習のハードルを下げているとしたら、それは私たち教員にとっても新たな発見です。
感染症が拡大している状況下でも、あるいはそういう状況だからこそ、人権に関する学びをどうすれば継続していけるか…。今年度は、本当に試行錯誤の一年でした。
テキストを作っているときは、まさかこんな状況で使用することになると思いませんでしたが、テキストを有効活用することで、直接執筆者(講演者)に会えなくても、学生から質問や意見を投げかけて対話する機会を作れたのではないかと思います。
今後も、ユニバーサルな学びを追求していきたいと思います!
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