みなさん、こんにちは。第9章「外国にルーツをもつ「日本人」のこと」を書いた片田です。
2020年4月に『多文化共生のためのシティズンシップ教育実践ハンドブック』という長いタイトルの本を研究会で出しました。おもに高校生・大学生を対象にした参加型授業の教材集です。
学校、職場、病院、部屋探し、避難所など7つの場面を設定し、外国にルーツをもつ人の人権と社会参加を主題にしています。わたしは、技能実習生に注目して、「④職場で考えよう:人権と経済効率」という外国人労働者の受け入れに関する授業を作りました。場面をもとに学習者が社会課題を話し合うだけでなく、テーマごとに「異文化尊重と公平」、「ステレオタイプ(カテゴリーでの把握)と偏見」、「社会権とコスト」、「合意形成と多数決」など、意見の相違の鍵となる概念を学べるようにしています。こういう授業は、進め方やまとめ方が難しいですが、「テーマの背景」や「学習指導過程」が丁寧に書かれています。
また、学習者の関心をひきやすいように、場面の動画がyoutubeでアップされていたり、教師が授業で使いやすいように、出版社のホームページからワークシートやパワーポイントをダウンロードして使用・加工できるようになっています。
内容・方法の両面で新しい試みをしている教材なので、ぜひ手にとってみてください。
目次:明石書店のHP
動画の例:「⑤病院で考えよう:社会権とコスト」で使用する「病院に通訳がいたらいいのにな―神戸のベトナム人中学生編―」(NPO法人FACIL制作)
https://www.youtube.com/watch?v=GZX4V5xhwHc
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